2012年7月20日金曜日

抗がん剤新薬で がん細胞を100分の1へ

悪性脳腫瘍「グリオブラストーマ」の再発を抑える効果の抗がん剤新薬が、マウス実験で発見された。

脳腫瘍の中でも「グリオブラストーマ」は治療が困難とされており、外科手術、放射線治療や抗がん剤で初期治療が成功しても、がんが再発する場合が多いことが問題だった。

しかし、腫瘍を作り出すがん幹細胞の維持に必要な分子に着目し、この分子の機能を抑える効果のある薬剤をマウスと投与したところがんが抑制されたのだ。

実験では、腫瘍を脳に移植したマウスに対して、この抗がん剤新薬を5日間投与した。すると、腫瘍の中のがん幹細胞は10分の1以下に大幅に減少した。さらに、がん幹細胞を脳に移植したマウスでは、10日間の薬剤投与によって、 がん幹細胞を10分の1~100分の1以上に激減させる効果があったのだ。しかも、脳の機能には影響が無く、生存期間も延長することができた。

脳腫瘍の抗がん剤新薬は、山形大と国立がん研究センターの研究チームが開発し、今後は治験への期待が高まっている。

研究論文は、英科学誌サイエンティフィック・リポーツへ発表された。