2012年6月13日水曜日

声帯がんの新診断法と術後の声帯再生

声帯がんを内視鏡下手術で声帯を切除すると、強い音声障害が残ることが多い。

しかし、声帯の上側に位置する「仮声帯(かせいたい)」を用いた新たな再生法により、仮声帯が声帯の代わりになる治療法もある。また、頬の脂肪を用いた注入による声帯再生を行うことも可能だ。

早期の声帯がんは、他のがんと同様に症状が軽微で、診断も難しいことが問題だった。そこで開発されたのが、「ストロボスコープ」による声帯がん診断法。「ストロボスコープ」では、瞬間ごとに発光する光源を利用して声帯の動きを見ることができる。1秒間に100~1000回の超高速震動の声帯が、スローモーションのようにゆっくりと映し出され、その動きの変化によって約9割に対して声帯がんか否かの診断が容易に可能になった。

さらに特殊な光源を用いた「NBI」という診断法を取り入れると、組織や血管が鮮明に浮かび上がるために声帯がんの発見は確実となる。。ストロボスコープとNBIを組み合わせることで、前がん病変などの小さながん(腫瘍)を早期がんの状態で発見するべく、研究が進められている。