2012年6月1日金曜日

肝臓がんと肝炎ウィルス

肝臓の病気で一番やっかいな肝がん。

肝臓がんは原発性と転移性に分けられる。

転移性肝がんは、他の内臓にできたがん細胞が血液の流れに乗って肝臓に漂着し、そこで根を張り大きくなったがん。肝臓には胃、小腸、大腸、膵臓、脾臓(ひぞう)から血液が流れ込む門脈という血管があるので、消化器のがんが転移しやすいのだ。

肝臓にまでがんが転移してしまったがん患者は、原発である臓器のがんの進行度は末期がんであるステージ4に分類される。

原発性肝臓がんは肝臓自身の細胞から発生したがん

さらに詳細な分類として、肝臓の働きを担っている肝細胞から発生する肝細胞がんと、胆汁の通る管を作っている胆管細胞から発生する胆管細胞がんに分けられる。

肝臓がんの大部分の患者は肝細胞がんであり、通常「肝がん」というと肝細胞がんのことを指す。

日本人で肝臓がんのがん死亡率に占める割合は、男性では肺、胃、大腸に次いで4位、女性では大腸、乳腺、肺、胃、膵臓に次いで6位を占めます。肝臓がんは日本人に頻度の高いがんだと言えるだろう。

ところで肝臓がんは、健康な肝臓からはほとんど発生しない。肝臓がんは慢性肝炎や肝硬変などの肝疾患が悪化した結果として発症することが多いのだ。肝臓がんの原因となっている肝疾患は、ある統計ではB型肝炎が27%、C型肝炎が56%と、B、C型肝炎で83%に及ぶ。また、他の肝臓がんの原因としては、アルコール、非アルコール性脂肪性肝炎も影響が大きい。

なお、肝炎ウイルスと肝がんは非常に強い関連があり、B型またはC型の肝炎ウイルスキャリアの発がん率は、肝炎ウイルスを持たない人の100倍超とされている。肝炎ウィルスに対しては、インターフェロンやベータグルカンなどで事前の対策を怠らないことで肝臓がんが予防される。