2012年3月19日月曜日

新発見された抗がん酵素

がんの進行を抑制する万能酵素が世界初で発見された。全ての種類のがんの抑制や転移に効果があるという新発見酵素とは?

 
肺がん、リンパ腫、乳がんや子宮がん、骨髄がんなどの 全ての がん細胞には、共通して「Akt」という酵素が、異常に活性化していることが既に知られていた。
このAkt酵素は、がん細胞の成長を促すだけでなく、がん細胞を他の臓器へ転移させるのにも関わっているのだ。
また、がん細胞に、抗がん剤への耐性を持たせ、がん再発も手助けしてしまうのもこのAkt酵素で、これこそが がん促進酵素なのだ。

Akt酵素の悪しき振る舞いについては1990年代末までに確認されはいたが、肝心のAkt酵素を抑制する物質や方法については、まで見つかっていなかった。
しかし、韓国の建国大学・微生物工学科のアン・ソングァン教授とべ・スンヒ博士が、Akt酵素を分解するタンパク質分解誘導酵素の「ムーラン(Mulan)」を発見した。

つまり、ムーラン(Mulan)をがん細胞へ作用させれば、がん成長を抑制し、がん細胞を殺せる酵素であることが確認されたのだ。
研究チームでは、ムーラン(Mulan)酵素がAkt酵素の284番目のアミノ酸に取り付いてAkt酵素の分解を誘導することで、がん細胞の進行を抑制することが確認したのだ。

Akt酵素は、ほぼ全ての種類のがん(癌)に関わっている。これを抑制できるムーラン(Mulan)酵素をうまく活用できれば、全てのがんを抑制し、再発予防できる全く新しい概念の抗がん新薬の開発が期待されるのだ。